“Oneohtrix Point Never” が導く未来

Oneohtrix Point Never

【ポスト・インダストリアル!?注目の”OPN”をクローズアップ!】

次世代のトレント・レズナー…。

いつしかそう、彼のことを呼ぶ声が出てきた。

ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するミュージシャンのダニエル・ロパティンこと「Oneohtrix Point Never」(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)[以下、OPN]

幾度かの来日において、ここ日本でもその知名度は着々と高まっている。
ソロ・プロジェクトでスタートしたOPNはアンビエント・テクノ、ドローン、ノイズ、アヴァンギャルドなど多彩な音楽スタイルで実験的なアプローチを行なっている。

様々な音楽を探求して独自の感性に仕上げるサウンドは、誰にも真似の出来ないハイブリッドなエレクトロニカワールドが繰り広げられる。その音は表情豊かに研ぎ澄まされ、時に静寂を与え、時に暴虐に満ちた破壊的サウンドで脳内を一瞬にしてトリップさせ、映画の様なスリリングな高揚感を与える。

昨年、11月にリリースした最新アルバム『Garden of Delete』は、これまでのキャリアを全て取り込んだ渾身の一枚としてリリースされ、瞬く間に話題となり数々の音楽メディアの賞を総なめした傑作となった。

それを作り上げる行程に至り、彼はナイン・インチ・ネイルズ(以下、NIN)からの影響が深く関わっていると公言している。思春期の頃に聴いたNINの音楽にどっぷりとのめり込んだ彼は、NINのインダストリアル・ロックという機械的サウンドとロックサウンドを融合した斬新なスタイルに魅了された。いまでもその影響下はますます拡大する一方で、トレント・レズナーの様に映画のサウンドトラックも手掛けるまでとなった。ソフィア・コッポラの作品『ブリングリング』に提供したサウンドはまさに手腕を活かしたものである。

影響を受けたのは音楽面だけではなく、ヴィジュアルイメージにも落とし込まれ、特にミュージック・ビデオでは各々に活躍する映像作家を迎え、ハイクオリティーな作品として度々話題になるほど。ロサンゼルスに構えるアーマンド・ハマー美術館では現在そのミュージック・クリップが垣間見れるアート・エキシビジョン『Ecco: The Videos of Oneohtrix Point Never and Related Works』が開催中となっており、音楽を通じ、アートとしてその幅を広げ、真のクリエイターへと着実にその歩みを進めている。

ますます魅力の増すOPNはライブパフォーマンスにも定評がある。実際にそのライブを体感した者には分かると思うが、そこにはカオスが広がっている。まさにメタルとハードコアなライブのようなアグレシッブさに包まれている。そこにはNINの他にメタリカやオジー・オズボーン、ラッシュ、デフ・レパード、サウンド・ガーデン、Kornなどに影響を受けた感性が色濃く反映されている。Kornに至ってはロゴをパロディーするほどでもある。

エレクトロニカの枠を超えたスタイルは、トレント・レズナーのスタンスに近いものであり、カテゴライズを破壊する現代音楽家である。今後の活躍に期待したい。