“KOMAKINO エピソード3″
前回、前々回とKOMAKINOの魅力を紐解いた。
ブランドコンセプトからアンダーグランドに徹したイメージ作りまで、一切妥協を許さないブランド戦略は真にカルチャーを愛するデザイナーの内から秀でるものであった。
A/W14まではポストパンク〜インダストリアル〜ダーク・ウェイヴの流れを汲み取り、フォーマルな中にミリタリーを強めたラインナップが見受けられた。
武骨なまでに研ぎ澄まされたデザインは、それまでになかった要素を巧みにミックスさせ、モードイメージを損ねない見事なバランスで、ストリートのスパイスを効かせ、気取り過ぎなくも品のあるスタイルを提案させたのであった。
そして、昨年の2015年の新作発表は度肝を抜かされるものとなり、このブランドの虜になる人々が急上する結果を生んだ。
S/S15では、それまでで見られたダーティさは鳴りを潜め、蛍光カラーを用いた近未来感を演出したサイバーパンクのイメージを持って、さらにブランドを新次元へと突入させた。
A/W15では、若かりし頃の学生時代に焦点を置き、抑制された学校社会に対する反骨心を現したティーンエイジャーのカウンターカルチャーのマインドを意識したコレクションとなり、それまでのスタイルに露骨に表現したパンクな精神を心情に落とし込み、比較的シンプルなデザインのコレクションに仕上げた。
毎回のコレクションコンセプトに置いては、右に出るブランドはそうそういない。KOMAKINOが発表するデザインを真似するブランドはあっても、決して真似することはない。
それだけKOMAKINOの感性は幅広く突出しているのである。エッジを効かせ、アヴンギャルドでありながらコマーシャルピース(着れるアイテム)も生産する。絶妙なバランスをもってして。
そして2016年になり、いよいよS/S16の入荷を控える。
更なる飛躍を目指して。
アンダーグランドに根差すKOMAKINOが本領を発揮する。