TOP 迫川尚子
お面をかぶっておどける新城さん。沖縄出身。右翼の街宣車だろうか。君が代が流れると頭をかかえてうずくまった。
1996年8月
©迫川尚子 提供:金沢21世紀美術館
金沢21世紀美術館にて路上観察学会40周年を記念する展覧会「路上、お邪魔ですか?」が開催中です。
路上観察学会とは

©飯村昭彦
提供:金沢21世紀美術館
路上観察学会とは、路上に隠れる建物・看板・張り紙など、一般的には景観として捉えられることのないものを観察する団体。超芸術トマソンで知られる赤瀬川原平や建築家 藤森照信らが1986年に結成した路上観察学会は文筆家・美術家・漫画家・特異な収集家を本の出版に合せてまとめた団体で、意図をもって生み出された芸術作品ではなく、都市と自然とが意図せず生み出した状況を、可笑しみをもって取り上げる「目」を、メディアを通して共有した活動です。
彼らは「ん?」と思う街なかの不思議なものを「物件」と呼び、写真を撮って共有していきました。それらは、赤瀬川の言葉を借りれば超芸術です。作者が明確に存在せず、役に立たず、非実用であるにもかかわらず、芸術を超えた芸術として立ち現れるもの。
路上観察とは、こうした超芸術を写真に収め、品評会という形式で共有する実践でした。誰かが撮った写真に、別の誰かが言葉を添える。そのやりとりのなかで、誰も気づかなかった意味や価値が、あらたに見いだされていきます。こうした「見立て」の積み重ねは、道路という言葉がもつ、一見そっけなく無機質なイメージを、認識のレベルから組み替えていきました。
「路上は誰のものか?」
「彼女が邪魔だった」― これは、2020年に渋谷で起きた路上生活者殺害事件で、加害者が発した言葉です。路上は、所有が曖昧であるがゆえに公序が強調され、時に他者の主観的ルールが衝突する息苦しさを孕んだ空間でもあります。2020年の事件は、公共性の意味を取り違えたときに起こりうる取り返しのつかない暴力を私たちに突きつけました。
それでも、この「自由」と「邪魔」が共存する路上においてこそ、批評的な文化実践が数多く立ち上がってきたのです。この展覧会では現代美術から歴史的資料、テレビゲームや銭湯、大道芸までをも紹介し、「路上は誰のものか?」という問いをキーワードに、過去の実践から現代の都市に対する批評的なアプローチまでをたどりながら路上の公共性について今一度考える機会が提案されます。
現代美術館では通常紹介されない路上の芸術たち

©Jun Tainaka
提供:金沢21世紀美術館

© Daniel Everett
提供:金沢21世紀美術館

提供:金沢21世紀美術館
かつての銭湯のカケラを再構成してつくった《銭湯山車》や、路上で半世紀にわたり公演を続けてきたギリヤーク尼ヶ崎の大道芸、100 年以上前に設置され最近まで街に設置されていた交通標識など路上の芸術たちが紹介されます。

ZAK 現代美術センター(シュパンダウ城塞、ベルリン)
2023
撮影: Dmitry Kireev
提供:金沢21世紀美術館

撮影:豊永政史
提供:金沢21世紀美術館
そのほかにも路上観察学会(赤瀬川原平、藤森照信、林丈二、南伸坊、松田哲夫、杉浦日向子、荒俣宏)、 鈴木康広、ギリヤーク尼ヶ崎、panpanya、鯨津朝子、中村裕太、國府理、Chim↑Pom from Smappa!Group、山田脩二、迫川尚子、児玉房子、ダニエル・エヴェレット、クシシュ トフ・ヴォディチコ、銭湯山車巡行部、村田あやこの作品が展示されています。
フライヤー 配布中!

FRAGILEでは「路上、お邪魔ですか?」の新聞のように作られたフライヤーを配布していますので、気になった方は是非お手に取ってみてください。
路上、お邪魔ですか?
会場 : 金沢21世紀美術館 展示室7~12、14、デザインギャラリー、レクチャーホール
会期 : 2026年4月25日(土) – 9月6日(日)
休館日 : 月曜日(ただし、5月4日、7月20日は開場)、5月7日、7月21日
お問合せ:金沢21世紀美術館 TEL:076-220-2800






