“ドイツが生んだ科学の申し子”
先日、来日したOneohtrix Point Neverの東京公演のスペシャルゲストとして登場したAlva Notoことカールステン・ニコライが、昨日より東京・代官山アートフロントギャラリーにて自身の個展『bausatz noto ∞』を開催している。
カールステンといえばAlva Noto名義で坂本龍一やEinstürzende Neubautenのブリクサ・バーゲルドとのコラボレーション。そして実験的音楽家の池田亮司とのユニットCyclo.に、レーベルメイトのByetoneとのジャーマン・エレクトロニック・ミュージックユニットDiamond Versionとその他、様々な音楽活動を行なう傍ら、芸術家としても知られ音楽とビジュアルアートを結びつけ、類い稀なる才能で高感度に感性を発信している。
西部渋谷店ではエントランスの柱に人の動きや気温などで変化する特殊なLEDビジョンを取り付け、365日同じ映像は流れないその時だけしか観れない映像体験を届ける取り組みを行なっている。
今春には森美術館にて開催された「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」と、銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催された「線を聴く」にそれぞれ作品を出展するなど、多くの人を魅了した。
今回の個展では98年に発表した4台のターンテーブルを仕様したレコードの回転速度を調整し無限に音をループさせるという実験的な作品を元にカラーヴァージョンとして展示している。
テクノロジーを駆使し、常に時代の先を行くパフォーマンスで異空間へとトリップさせる、まさに映画の様な世界観を現実に表示する。これからの活動にも期待が高まる芸術家である。