【アーティストロゴ を解体するシリーズ Vol.1】
今年新作の発表を控えているインダストリアル・ロックバンド「NINE INCH NAILS」(ナイン・インチ・ネイルズ)
彼らのトレードマークといえばバンド名の頭文字を組み合わせ、最後のNを反転させたアンビグラムの形式を用いた”NIИ”ロゴ。それは彼らが最初にリリースしたシングルアルバム『Down in It』(89年)で使用された。
出典:NINE INCH NAILS/Down in It/https://www.universal-music.co.jp
フロントマンのトレント・レズナーとアート・ディレクターのゲイリー・タルパスによって考案されたロゴはバンドの看板として位置づけるものとなった。
出典:TALKING HEADS/Remain In Light/WARNER MUSIC JAPAN
デザインを起こすにあたりレズナーは、当時、自身が影響を受けたバンドTALKING HEADS(トーキング・ヘッズ)が80年にリリースしたスタジオアルバム『Remain In Light』からインスピレーションを得た。アルバムのアートワークを見るとバンドロゴの”A”の文字が上下反転しているのが見受けられる。デザインを手掛けたのはグラフィックデザイナーのTibor Kalmanである。
こうしてトーキング・ヘッズのクリエイティブな感性をNINは継承した。それは物真似の様な直接的なものではなく、ほんの隠し味的なスパイスの要素として取り込んだ。NINというイメージに溶け込むように。
2013年のツアーでもトーキング・ヘッズのフィルム「Stop Making Senece」から着想得たステージングを披露して多くのオーディエンスを魅了した。
それほどまでにNINをこだわらせたトーキング・ヘッズは、とりわけトレント・レズナーにとって特別な存在であった。
スタイルは違えど、互いが音楽の演奏のみにとどまらず、その中に秘めた芸術性や美学といった感覚を表現するのはシンパシーを感じるものがある。
ロゴのこだわりはすなわちその者の背景がしっかりと刻み込まれている。
ロゴは縁の下の力持ちのようにひっそりとその者を支える。
ロゴには命が宿り、灯をともし、明かりを照らす。
ロゴから紐解く彼らの素顔は実に奥深い…。
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