“若者の終末”を描いた衝撃の2作品が、待望のデジタルリマスターで公開
ロサンゼルス生まれ、サンタバーバラで育った日系三世。自身もゲイであることをオープンにしており、同性愛、ティーンエイジャーをテーマとした作品を多く制作。自身を形成したものは「クィアネスとセクシャリティ、そしてオルタナティブ・ミュージック」と語るように、彼の作品にはシューゲイザーやオルタナティブロックなど作品を盛り上げ感情を揺さぶる音楽がプレイリストのように多用され、登場人物のセクシャリティも実に多様なことが特徴。90年代ニュー・クィア・シネマを牽引した作家の1人”グレッグ・アラキ”
「ティーンエイジャーの映画を作るのが好きなんだ。「彼らの“ホルモンが狂った生活”には、忘れられない高揚感がある。彼らは1日に10回生きては死ぬような興味深い題材であり、私が世界について感じていることを体現している」とグレッグ・アラキは言う。そんな彼が10代の若者たちを描き、“ティーン・アポカリプス・トリロジー”とも呼ばれる3作品から『ドゥーム・ジェネレーション』と『ノーウェア』の2作品が今回、新たにデジタルリマスターされ劇場公開される (もう1作品は『トータリー・ファックト・アップ』(1994)) 。さらに今回のデジタルリマスター版は2作品とも、初公開当時にはそのストレートな性表現から映画公開のレーティング評価ができないという事情でやむなくカットされたシーンも含めた貴重なディレクターズカットとして蘇った。
『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』
11 月 8 日(金)渋谷ホワイトシネクイントより全国順次公開
■公式サイト:greggaraki-movie.com
■公式 X アカウント:X:@greggarakimovie
■公式 Instagram:@parcomovie
監督・脚本・編集:グレッグ・アラキ
出演:ローズ・マッゴーワン、ジェームズ・デュバル、ジョナサン・シェック
製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ、アンドレア・スパーリング
1995 年/アメリカ・フランス/カラー/ビスタ/5.1ch/英語/84 分/
日本語字幕:佐藤南/原題:The Doom Generation/
映倫区分:R-15+
配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE
『ドゥーム・ジェネレーション』は、異質なティーンエイジャー達のための、異質なティーンエイジャー映画である。『理由なき反抗』や『地獄の逃避行』のような過去の映画たちのエッセンスから生まれ、ブラック・コメディの要素と価値観を揺るがす性表現が混ざり合い、独自のエッセンスを加えることで、3人のティーンエイジャー達がどこか知らない場所へと進んでいく姿を、独創的に描いている。ジョーダン・ホワイト(ジェームズ・デュバル)と、ハリウッド⻩金時代のミューズであるルイーズ・ブルックスを思わせる中毒性をまとったファム・ファタール、エイミー・ブルー(ローズ・マッゴーワン)。セックス、ドラッグ、ロックで華やかに彩られた静かな夜を過ごそうとする2人だったが、エイミーの子猫のような魅力を持った雰囲気はトラブルを誘発してしまい、暴漢に襲われているハンサムで両性愛者のグザヴィエ・レッド(ジョナソン・シェック)を引き込んでしまう。彼は2人に助けてもらったが、その後立ち寄ったコンビニで店員を揉み合いの末、殺してしまうという、恩を仇で返す結果となってしまい、図らずも共犯者となった3人は、不毛の荒野と化したサイコが溢れるアメリカを逃げ回る。この旅を続けるうちに、グザヴィエ(ニックネーム:X)は、自らの性的嗜好でエイミーとジョーダンの性的嗜好を刺激し、彼らの三角関係の境界線を曖昧に変えていく。
『ノーウェア デジタルリマスター版』
11 月 15 日(金)渋谷ホワイトシネクイントより全国順次公開
■公式サイト:greggaraki-movie.com
■公式 X アカウント:X:@greggarakimovie
■公式 Instagram: @parcomovie
監督・脚本・編集:グレッグ・アラキ
出演:ジェームズ・デュバル、レイチェル・トゥルー、ネイザン・ベクストン、
キアラ・マストロヤンニ、デビ—・マザール 他
製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ他
1997 年/アメリカ・フランス/カラー/ビスタ/英語/5.1ch /83 分/
日本語字幕:長 夏実/原題:Nowhere/映倫区分:R-15+
配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE
ノーウェアは、『トータリー・ファックト・アップ』『ドゥーム・ジェネレーション』から続く、監督グレッグ・アラキの 「ティーン・アポカリス」三部作のフィナーレを飾る作品である。まるで酸欠状態の『ビバリーヒルズ高校白書』のように、『ノーウェア』は、若さゆえの疑念や不安、思春期の恋愛、SM、ドラッグ、カージャック、殺人、エイリアン誘拐など、ジェットコースターのように高揚感とどん底を駆け抜ける若者たちの織り成す
姿を描いている。色彩豊かでポップ・カルチャーをこよなく愛する『ノーウェア』は、『シックスティーン・キャンドル』や『ブレックファスト・クラブ』のようなジョン・ヒューズのティーン・アングスト叙事詩の全盛期を思い起こさせるような、しかし独自のスタイルで20世紀後半の若者の一日を描いており、ジェットコースターのようなトーンの急激な変化にもかかわらず、物語の核となる若者たちの感情は見失うことなくがっちり掴み続けている。
彼のオリジナリティ溢れる作風はファッション界でも高く評価されており、2015年にはアパレルブランドKENZOのコレクションオリジナルムービー「Here Now」を制作。2024年にはオリヴィア・ワイルド主演、自身も監督のファンだと語るチャーリーXCX出演の新たな監督作を準備していることが発表された。
Nine Inch NailsやMarilyn Manson、Radiohead、Slowdive、The Jesus and Mary Chain、Nitzer Ebb、CoilなどのオルタナサウンドからAphex TwinやMassive Attack、The Chemical Brothersなどの電子音楽までかなりの音楽フリークである監督の音楽の嗜好も注目の作品です!
当店ではフライヤーを配布中です。大阪では11/22〜TOHOシネマズなんばをはじめ全国で劇場公開されます。
グレッグ・アラキが描くティーン・アポカリプスを是非劇場でお楽しみください!