【ロックVSヒップホップの金字塔を打立てた映画サントラが話題となった名作】
ロックとヒップホップ、それは水と油のような関係とされていた隆盛期の80年代。RUN-DMC×AEROSMITHの『Walk This Way』やPUBLIC ENEMY×ANTHRAXの『Bring The Noise』など、その二つのジャンルのそれぞれのアーティスト同士が融合し、相対していたその壁を見事に打ち崩しイメージを払拭しました。
いまでは違和感なくクロスオーヴァーするロックとヒップホップですが、彼らの様な先駆者が先陣を切ったおかげで今があるのです。
その流れは90年代に入り、さらに様々な音楽を混ぜ合わせた”ミクスチャー”というジャンルを生み出し、社会現象を巻き起こすほどのきっかけを作りました。
その時代に公開された一本の映画のサントラがそれに拍車を掛けたのであります。
[クライムアクション映画”ジャッジメント・ナイト”]
1993年に公開された映画「JUDGMENT NIGHT」(ジャッジメント・ナイト)
エルム街の悪夢5やプレデター2、ロスト・イン・スペースなどを手掛けたスティーヴン・ホプキンス監督による犯罪アクション作品。
スラム街に迷い込んだ4人の男達がギャングに追われる逃亡劇を描いた作品で、シンプルなストーリーながらも生々しい緊迫した展開で最後まで目が離せない緊張感漂う一作。
[サントラが超豪華]
この作品の見所はストーリーだけでなく、映画サントラがとてつもなく豪華。上述に書いたロックとヒップホップが融合した内容で大物アーティストの共演が話題となりました。
ヘヴィロック界きってのいぶし銀「HELMET」とLIMP BIZKITのDJで活躍したDJリーサルの在籍していた白人ヒップホップのパイオニア「HOUSE OF PAIN」のカップリングから始まり、スコットランドきってのオルタナバンド「TEENAGE FANCLUB」とネイティブ・タンの一員「DE LA SOUL」、ニューヨーク・ハードコアの雄「BIOHAZARD」とハードコア・ヒップホップの切り込み隊長「ONYX」、スラッシュメタル四天王「SLAYER」とギャングスタの創始者「ICE-T」他、LIVING COLOR×RUN-DMC、FAITH NO MORE×BOO-YAA T.R.I.B.E.、SONIC YOUTH×CYPRESS HILLなど、驚くべく面子でサウンドトラックを飾っています。しかもプロデューサーは数々の大物アーティストを輩出した敏腕リック・ルービンとなっています。
こうして映画音楽でも二つのジャンルを融合させた取り組みは大成功を収めました。作品の内容もさることながら音楽にも注目したい作品です。
ロック×ヒップホップの入り口はまずこの映画サントラから入ってみてはいかがでしょうか?