“テクノロジーの進化が生んだジャパニーズミュージック”
音楽、ファッション、芸術といった文化が隆盛を極めた80年代に日本の土壌が築いたアートピース。
白魔術でもなければ黒魔術でもない黄色人種が生み出す黄色魔術(イエローマジック)。その名で独自の音楽スタイルを提唱するとして名付けられたYMOことYELLOW MAGIC ORCHESTRA(イエロー・マジック・オーケストラ)
細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の3人からなるYMOは80年代に巻き起こったニュー・ウェイブ/テクノミュージックの新旗手として注目を浴びた。
シンセサイザーやコンピューターを用いた実験的手法で当時の日本では珍しかった最新テクノロジーを融合させたバンドスタイルを打ち出し、それが海を渡り海外で人気を得た。その後、逆輸入の形で日本にもYMOを旋風が巻き起こった。
先駆けて活動していたドイツのKRAFTWERK、アメリカのDEVOらと共にテクノ・ポップの歴史を築いたのである。その影響は計りしれず、近年のJ-ROCKやPOPSなど電子音楽の導入はいまや当たり前となっているほど。
YMOは独自の美学を持って前衛的な音楽スタイルへと打ち込み、世界という壁に挑んだ。
テクノポップの位置を築いたYMOに継ぐテクノ御三家としてP-MODEL、ヒカシュー、プラスチックスも取り上げられ一世を風靡した。
BLACK SABBATHのカヴァーからプログレシッブ・ロック、そしてニュー・ウェイブへと傾倒したマンドレイクのメンバーを中心に結成された「P-MODEL」
ハードロック最高峰バンドVAN HALENのオープニングアクトを経て、テクノポップからの脱却を行い、自作楽器やホワイトノイズ、ヴァイオリンなどを用い、そして観客に鳥の餌を撒いたり、キーボードを蹴飛ばしたり、直立不動の演奏を行なったりと個性的なパフォーマンスで前衛的スタイルを貫いた。
民族音楽、ジャズ、クラシック、雅楽、様々な文化的音楽をもとに即興演奏、演劇といったスタイルを得意とした「ヒカシュー」
初期は電子楽器を用いていたことからテクノポップ/ニューウェイブと認知されていたが、幅の広い音楽情景からどこにも属さないノンジャンルアーティストとして日本音楽シーンにその名を残した。
グラフィックデザイナーやイラストレーター、ファッションスタイリストらによって結成された「プラスチックス」
それぞれの豊かな感性を活かしたスタイルでパンクロックやグラムロックの要素も取り込み、B-52’sやRAMONES、TALKING HEADSなど海外勢とも共演を果たし、イギリス最大のインディペンデントレコードレーベル”ROUGH TRADE”との契約で海外にもその名を知れ渡らせた。
そういった前者のアーティスト達がミュージックを芸術的に押し上げ、文化を形成していったといっても過言ではない。その後にTM NETWORKや電気グルーヴ、CORNELIUSらも電子音楽を日本に普及させた。
いまや日本のアンダーグラウンドシーンでもそれに継ぐアーティストが羽ばたき国内のみならず海外でも人気を沸騰させている。
また改めてそのアーティストも紹介するのでお楽しみあれ。