Top 「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 ©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership
撮影:浅野豪

「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 ©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership 撮影:浅野豪
※本展は終了しております。
今年3月末まで東京都現代美術館で開催された坂本龍一の大規模展「坂本龍一|音を視る 時を聴く」は、34万人超の来場者を迎え、同館史上最多の動員数を記録。 坂本龍一が遺した作品は、没後もなお多くの注目を集めています。
そんな坂本の大阪で初となる大規模企画展「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」が安藤忠雄氏が設計監修した新しい文化装置「VS.」にて開催されました。

sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 坂本龍一 + アピチャッポン・ウィーラセタクン《async–first light》2017年 アピチャッポン・ウィーラセタクン《Durmiente》2021年
©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership 撮影:浅野豪

「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年坂 本龍一+高谷史郎《LIFE–fluid, invisible, inaudible…》2007年
©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership 撮影:浅野豪
1970年、18歳の坂本龍一は、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げた大阪万博で、多彩な音楽やアートに触れました。
各パビリオンで流れる音楽の多くは、無調による前衛的な電子音楽でした。坂本が敬愛する武満徹の《クロッシング》《四季》や、小学生の頃から影響を受けた高橋悠治の《慧眼》、湯浅譲二の《スペース・プロジェクションのための音楽》、西ドイツ館ではカールハインツ・シュトックハウゼンが球形ホールで《Spiral》の連日公演を行っていました。
また、「ペプシ館」では中谷芙二子による霧の彫刻、クセナキスが「鉄鋼館」のために《Hibiki Hana Ma(響き・花・間)》を制作し、同じ会場にはフランソワ・バシェの音響彫刻が展示されていました。 これらの体験は、後の坂本の創作活動に深い影響を与えることになります。当時、注目を集め始めていたシンセサイザー電子音楽の世界も、坂本にとって大きな刺激となりました。
坂本は2016年以降、1970年の大阪万博で展示されたバシェの音響彫刻を演奏・録音する機会を得て、その音を自身の作品に取り入れています。それらの試みは2017年のアルバム《async》に結実し、最晩年に制作した劇場作品《TIME》にも活かされました。
2025年、再び大阪で万博が開催されているこの年に、若き日の坂本が受けた刺激を、坂本が遺したものを共有化する試みとして始動した「sakamotocommon」を通じて次世代のクリエイターたちへ届けられないだろうか。
その思いを込め、大阪・梅田に新しく誕生した空間「VS.(ヴイエス)」で展覧会が実現しました。


「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 ©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership 撮影:浅野豪

「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 ©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership 撮影:浅野豪

「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 ©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership 撮影:浅野豪
本プロジェクトでは、1970年の大阪万博のために制作されたバシェの音響彫刻を展示するほか、東京藝術大学のバシェ修復プロジェクトチームとマルティ・ルイツ・カルラが坂本のために制作した新たな音響彫刻も展示されています。

「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 ©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership 撮影:浅野豪

「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」VS.、2025年 ©2025 KAB Inc., VS. Joint Partnership 撮影:浅野豪
また、坂本の演奏データをもとに、彼が愛用したグランドピアノで再生するプログラムや、東京都現代美術館でも展示されたインスタレーション作品も展示されています。
坂本龍一が探し求めた、記憶、時間、音。
1970年、坂本龍一は大阪で何を見たのか。
坂本龍一と大阪、知られざる接点がここに。
東京都現代美術館でも展示されていた高谷史郎(DumbType)とのコラボレーション作品などもあり、大ボリュームの企画展となっています。
展示内容
坂本龍一 + 高谷史郎《LIFEーfluid, invisible, inaudible…》
Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2025 – D
バシェの音響彫刻
坂本龍一 on async
坂本龍一 + Zakkubalan《async–volume》
坂本龍一 + アピチャッポン・ウィーラセタクン《async–first light》
アピチャッポン・ウィーラセタクン《Durmiente》
坂本龍一『Ryuichi Sakamoto: Playing the Baschet』,『12』 360 Reality Audio
坂本龍一アーカイブ: 1970 -
Sakamoto Library – Extension | 坂本図書 分室
事前オンライン予約制
※日時指定枠に空きがある場合は、当日窓口にてチケットをご購入いただけます。
チケット料金(税込)
※()=当日窓口販売の料金
・一般:2,200円(2,500円)
・18歳以下:1,100円(1,100円※同額)※2026年3月31日までに19歳になる方も対象
・大学生/専門学校生:1,800円(2,000円)
・障がい者割引:1,100円 ※同伴者1名まで同額
・未就学児:無料 ※予約不要
※特別料金を適用される方は各種証明書をお持ちください。
(18歳以下:年齢を証明できるもの、大学生専門学校生:学生証、障がい者割引:障がい者手帳)
※購入後の変更、キャンセル、払い戻しは不可となっております。
※団体予約・団体割引の取り扱いはございません。