“信念を持たない人間は、あらゆることに流される”
“今こそあなたと私は、より政治的に敏感になり、何のための投票なのか、票を投ずる時に何を得ることを支持するのかはっきりと理解するときだ。そしてまた、もし我々が投票しないのならば、弾丸が撃たれなければならないような事態に陥るだろう。
投票か弾丸かどちらかだ”
世界的に有名なアメリカの黒人公民権運動活動家マルコム・Xの言葉である。
出典:ESTATE OF MALCOLM X c/o CMG WORLDWIDE
マルコムは1619年頃から続くアフリカ系アメリカ人奴隷制度から1863年リンカーン奴隷解放宣言後も続いていたアメリカの黒人迫害社会で黒人の人権を勝ち取るための公民権運動を1950〜60年代にかけて行い、キング牧師と同じく黒人公民権運動のリーダーとして、黒人の法の下の平等を規定した市民権法を制定させるのに影響を与えたヒーローです。
1925年アメリカネブラスカ州オマハにて牧師の父と白人の混血の母との間に生まれたマルコム・リトルは幼い頃、父が人種差別主義者に惨殺され、母は精神を病んだ為、里子に出されました。街を転々とし、麻薬取引やギャンブルに浸り20歳で強盗罪により逮捕されますが、獄中で同じ受刑者のイスラム教信者などに影響され読書や勉強に目覚めた彼は、収監前は2.0あった視力が0.2まで落ちるほど、消灯後も勉強し後にトレードマークとなるサーモント型の近眼鏡を使うようになります。
出所後、白人社会への同化を拒否し、黒人の経済的自立を目指す社会運動、黒人の民族的優越を説く為に1930年設立された団体NOI(ネイション・オブ・イスラム) に入団し始祖であるイライジャ・ムハンマドからXの名をもらいマルコムXと名乗り始めました。
獄中で培った教養を武器に様々な場所で卓越した演説を行い、瞬く間に団体の中心人物となったマルコムは白人至上主義に追いやられていた民衆の心を突き動かしました。しかし後にNOIの非道な不正が発覚し団体の在り方に疑問をもった彼はNOIを脱退し、イスラム教団体「ムスリム・モスク」を設立した後にNOIのメンバーに命を狙われ1965年に39歳で暗殺されてしまったのです。
その短い人生の中で数々の人物に影響を与えたマルコムでしたが、とりわけボクサーのモハメド・アリは元々カシアス・クレイという名で世界チャンピオンになっていましたがNOIから授かったムスリム名であるモハメド・アリに改名したほど影響を受けており、現代に至るまで多くの人に影響を与えた偉人といえるでしょう。
また「ドゥ・ザ・ライト・シング」や「ブラッククランズマン」などの黒人が社会で直面する迫害や偏見を真正面から取り上げる作品で有名なスパイク・リー監督も自身が尊敬する人物にマルコムの名を挙げており、1992年マルコムX自伝をもとにした映画『マルコムX』で監督を務めています。
そして、今年2020年Netflixで「マルコムX暗殺の真相」が公開され、本作品の影響から検察が再調査を始めるとのニュースが流れておりこれからまた新たな真実が語られるかもしれません。
今回そのマルコムXのオフィシャルTシャツが入荷致しました!
1963年演説時の写真が大きくプリントされた
マルコムの意思が伝わってくるメッセージ性が強い一枚となっています。
今年「Black Lives Matter」の問題が記憶にも新しいですが、黒人差別は何百年と繰り返しまだ根強く続いています。
日本の差別教育はかなり遅れているので、人種差別において実感がわきにくい方もいるかもしれませんが、日本においても在日、部落問題、女性蔑視など差別は遠い国の出来事ではなく身近にあります。気付いてない、知ろうとしない、気付かないふりをしているだけです。
信念をもって人々の心を動かし国を動かしたマルコムからこういった差別問題や世の中の事をもう一度考え直すきっかけになるかもしれません。