2019年に英国王立写真協会から賞を受けたニューヨーク出身の女性フォトグラファーCollier Schorr(コリア・ショアー)
1986年に、School of Visual Artsを卒業し、2008年には「アメリカの知的活動において国外で最も重要な拠点」とされているドイツのアメリカンアカデミーよりフェローを授与。2014年からはファッションマガジンのフォトグラファーとして活動している。
2017年にサンローラン、2020年にはルイヴィトンでキャンペーンイメージを手掛け、ファッション界でも高い知名度を獲得。現在ではドイツ発のカルチャーマガジン032cの表紙や、フランクオーシャン、ティモシー・シャラメなども撮影しており、活動の幅を大きく広げており、ファッション業界から注目を集めている。
彼女の写真は、リアリズムとフィクションに若々しさを織り交ぜたような作品が多く、戦争写真家、旅回りの肖像画家、人類学者、家族史家など、いくつもの重なり合う役割を担っている。戦争やジェンダーなどコリア・ショアーがテーマに掲げているものは現在にも通ずるものが非常に多い。
FRAGILEでも以前、ニューヨークで発刊されているフォトマガジンであるAperture MagazineとのコラボTシャツを取り扱ったのも記憶に新しい。このコラボレーションアイテムもジェンダーレスをテーマに制作された1枚であった。
そんなコリア・ショアからサイン入り新作アートブックが入荷しました!
本作は、ドイツの都市シュヴェービッシュ・グミュントで撮影したポラロイドを使って、切り取られた瞬間を超えて存在するはずではなかったイメージが写し出しているわずかな空間を探求している。また過去20年間を振り返り、このイメージを歴史の一部として見せる一方で、制作の手段について考察している。その中で作者は、現代に生きるドイツの人々を過去に溶け込ませようとする中で犯した失敗を明らかにし、アーティストと被写体、被写体とコスチュームの距離を暗喩的に表現している。
歴史的な重みをもつ妄念や誘惑を意識しつつ、作者は共感と批判の間に横たわる空間を探った。リナ・ウェルトミューラー(Lina Wertmüller)の映画「愛の嵐(英題:The Night Porter)」のポーズをまねてフェザーの襟巻を巻いたドイツ人の少年のイメージには、フェティシズムと制服の行為遂行的な歴史や、ドキュメンタリーと小説化、距離と欲望の間を行き来する歴史に対する作者の興味がよく表れている。
本作は「Forests and Fields(原題:Wald und Wiesen)」シリーズより「NEIGHBOURS / NACHBARN」「BLUMEN」に続く第3巻にあたる。本としてのフォーマットでの制作を本質的なテーマとして掲げるこのシリーズは、伝統的なカテゴリーの概念を使って異なる視点を作り出す本を継続的に出版している。1つ1つの本は、日記であると同時に、写真年鑑、パリンプセストやスクラップブックでもある。そこでは、本という資料を通じて新しいものの見方を提示するために、再編集を通じて作品を拡大・否定し続けるプロセスが使われている。どの本もサイズはほぼ同じだが、それ自体が独立したユニークな作品となるように作られている。
今回入荷したアートブックはサイン入の限定版となっており、大変貴重なアイテムとなっております。
ファッションマガジンなどでも活躍するコリアショアのフォトを是非店頭にてご覧ください。
ハードカバー
104ページ
255×305 mm