当店のブログやインスタグラムで日々取り上げるバンドTシャツ。その中でも我々はグラフィックアーティストが手がけるアートワークに注目し、音楽とアートのその密接な関係性について発信してきた。今回は現代アーティストによって制作されたレコードという視点で企画された画期的な展覧会について、入荷したばかりの書籍「BROKEN MUSIC VOL.2 – 70 YEARS OF RECORDS AND SOUND WORKS BY ARTISTS」を通じてご紹介したい。
音楽と現代アートの関係性
古くは60年代ごろより現代アート集団「ヒプノシス」がPINK FLOYD、LED ZEPPELINなどのアルバムジャケットを手掛け、ミュージシャンと並ぶほどのファンをグラフィックアーティストが抱えた。その関係性についての映画が上映されるほどで、音楽と現代アートの関係を築き上げた。
現在ではアートを学び、吸収するミュージシャンがグラフィックアーティストを起用し、グラフィックアーティストもまたミュージシャンからの影響を色濃く受けてアートワークを制作するという相互作用を目にする機会が多くなり、アートワークを誰が手掛けているのかというのもミュージシャンの新譜を楽しむ上で一つの視点となりつつあるだろう。
その最たる例は当店がプッシュするJESSE DRAXLERだ。彼は実際にハードコアやインダストリアルメタル、ブラックメタルを愛聴し、実際に音楽レーベルを立ち上げるほど音楽に傾倒している人物だが、自身のレーベル所属のアーティストはもちろん、それ以外のアーティストにもアートワークを提供しているため、彼から新たなミュージシャンを知ったという方も少なくないはずだ。
こういった関係から新たなミュージシャンやグラフィックアーティストを知るというのも新たな世界にチャレンジするきっかけになるのではないだろうか。
展示「BROKEN MUSIC VOL.2 」とは

今回FRAGILEに入荷した「BROKEN MUSIC VOL.2 – 70 YEARS OF RECORDS AND SOUND WORKS BY ARTISTS」は戦後から現在に至るレコードの芸術的展開を、700点以上のレコードを10章構成で紹介する、2022年12月から2023年5月にかけてベルリンの「ハンブルガー・バーンホフ現代美術館」にて開催された展覧会に伴い刊行され、レコードがいかに芸術的メディウムとして展開してきたのかを辿る類書のない一冊として機能している。
ベルリン・ヴィルマースドルフにあった伝説的レコード店「gelbe MUSIK」(1981年-2014年)は、JOHN CAGE、SONIC YOUTH、Björk、オノ・ヨーコらを含むコレクター、アーティスト、音楽家にとっての巡礼地であった。1989年、オーナーであるウルズラ・ブロックは、美術史家ミヒャエル・グラスマイヤーとともに展覧会を企画した。
1989年に行われた展示「Broken Music: Artists’ Recordworks」を元にアップグレードされた本展は、レコードを「アート」として取り扱い、戦後から現代までの約70年間のインスタレーション、サウンドアート、メディア作品なども含めて考察し、その世界を拡張する目的で行われた「音楽を見る、アートを聴く」展示だと言えるだろう。
画期的な展示を擬似体験できるアートブック



そして今回ご紹介する書籍はただ展示の内容を記載しただけの書籍ではなく、展示の配置を再現したかの装丁で展示をまとめているので擬似的に展示を楽しむことができ、その空間に没入できる作りとなっている。




その空間にひたりながら、クリスチャン・マークレー、カールステン・ニコライ、フルクサス、レイモンド・ペティボン、ローレンス・ウェイナーらのアートとディスコグラフィーを堪能できる是非一度ご覧いただきたい一冊です。

また表紙をめくるとクリスチャン・マークレーのアートワークが覗く粋な装丁も、非常にかっこいいです。

こちらの作品集は現在FRAGILEの店頭にて絶賛発売中です。まとめられたマニアックなアーティストたちの作品を、本書を通じて体感してみてください!






