イギリスの伝説的パンクバンド”Crass”のシンボルのデザインに始まり、フライヤーデザイン、コラージュアートやショートフィルムなどパンクシーンを象徴するアートワークを手掛け、自身もパンクバンドを結成し、シーンに大きく貢献し、今なお伝説として語られるイギリス出身のアメリカ人アーティスト”David King”(デヴィッド・キング)

キングは1948年にエセックス州イルフォードに生まれ、16歳の頃より大学でグラフィックデザインを学んでいた。その頃、後に伝説的パンクバンド”Crass”を結成するペニー・ランボーとジー・ヴォーチャーと出会い、彼らが設立したエセックス州ノースウィールドにあるコミューンでメンバーたちと共同生活を送る。キングが提供したCrassの代表的なシンボルデザイン(通称:スネイクロゴ)は日本の家紋にインスパイアされており、現在もパンクシーンを代表するアートワークとして知られている。

1977年よりキングはニューヨークに移り住み、当時そこで大きく発展していたパンク/ノーウェーブシーンに接触し、パンクバンド”Arsenal”や”Sleeping Dogs”、”Brain Rust”を結成。同時にグラフィックデザインの活動も活発化し、ナイトクラブのポスターやフライヤーデザイン、アルバムアート、ロゴなどを製作。
1990年代ごろにはサンフランシスコ美術大学に入学し、デッサン、絵画、写真、版画、詩、写真、彫刻、庭園デザインへと活動範囲を広げたのであった。

キングの作品はロンドンのサーペンタイン・ギャラリーやロサンゼルス現代美術館などで展示が行われるように、パンクやアンダーグラウンドのシーンだけではない幅広いジャンルの人々が彼のファンとなり、2019年にキングが亡くなってしまった現在も彼の作品への世間の関心は薄れることなく、伝説のアーティストとして語り継がれているのである。

そんなDavid Kingの作品集”Publications 1977-2019″がFRAGILEに入荷いたしました。

2024年に本書と同名タイトルの展覧会がSan Francisco Center for the Bookで行われ、出版社とSan Francisco Center for the Bookとで共同で製作された本作はこれまでキングが製作した膨大な数のアートワークから小部数発行のZINEやフライヤー、自主制作本に着目したこれまでになかった試みのコレクター心をくすぐる1冊である。

そしてFRAGILEでは本書にも掲載されている限定500冊のアート集”SECRET ORIGIN OF THE CRASS SYMBOL”もお取り扱いがございますので、キングの代名詞とも言えるステンシルで作られたシンボルの様々なバージョンをご覧くださいませ。

David Kingの作品集は現在店頭にて絶賛発売中です。

今なお語り継がれるキングの作品集は世界でも流通数が少なく大変貴重ですので、是非この機会に彼の作品を手に取ってみてはいかがでしょうか。

関連記事

  1. LIL PEEP のドキュメンタリー映画”Everybody’s Everything”が11月に全米にて公開

    2019.10.7

    LIL PEEP のドキュメンタリー映画”Everybody’s Ev…

    ラップ界に衝撃を与えた風雲児の半生が遂に紐解かれる今年のSXSWでプ…

    LIL PEEP のドキュメンタリー映画”Everybody’s Everything”が11月に全米にて公開
  2. TEXTBEAK x(K)OLLAPS MIXTAPE

    2020.01.6

    TEXTBEAK x(K)OLLAPS MIXTAPE

    以前ART OF NOISEイベントにも出演してくれたTEXTBEAKよりミュージックアートプロ…

    TEXTBEAK x(K)OLLAPS MIXTAPE
  3. DAIDO TOKYO

    2016.06.6

    DAIDO TOKYO

    【世界を駆け巡る写真家”森山 大道"】https://www.youtube.com/watch…

    DAIDO TOKYO
  4. GIRL PUSHER × SUBSTANCE – LOOKBOOK S/S 2016

    2016.03.6

    GIRL PUSHER × SUBSTANCE – LOO…

    GIRL PUSHER × SUBSTANCE LOOKBOOK S/S 2016SEAPU…

    GIRL PUSHER × SUBSTANCE – LOOKBOOK S/S 2016
  5. アーティストロゴ に秘めた真実 “NIN”編

    2017.03.21

    アーティストロゴ に秘めた真実 “NIN”編

    【アーティストロゴ を解体するシリーズ Vol.1】今年新作の発表を控えているインダストリアル・…

    アーティストロゴ に秘めた真実 “NIN”編
  6. MATT LEINES

    2016.03.16

    MATT LEINES

    “RVCAも惚れ込む稀代のアーティスト”洗練されたカジュアルなデザインで都会…

    MATT LEINES
  7. スヌープ・ドッグがアルバム「Neva Left」に込めた想いとは?

    2018.05.17

    スヌープ・ドッグがアルバム「Neva Left」に込めた想いとは?

    【ヒップホップの活ける伝説"スヌープ・ドッグ"が魅せる原点への生き様】90年代初頭のアメリカ西海…

    スヌープ・ドッグがアルバム「Neva Left」に込めた想いとは?
  8. 漆黒を描くアーティスト”JESSE DRAXLER”の軌跡

    2016.11.22

    漆黒を描くアーティスト”JESSE DRAXLERR…

    【次世代のヴィジュアルアーティスト”JESSE DRAXLER”を辿る】昨年、創刊されたファッシ…

    漆黒を描くアーティスト”JESSE DRAXLER”の軌跡
  9. 生誕90周年記念 「寺山修司展」が世田谷文学館で開催

    2024.11.1

    生誕90周年記念 「寺山修司展」が世田谷文学館で開催

    渋谷に落成した天井棧敷館の前で(1969年)©テラヤマ・ワールド演劇実験室「天井棧敷」の創…

    生誕90周年記念 「寺山修司展」が世田谷文学館で開催

NEW POST

PAGE TOP