【ラップ界のカート・コバーンと呼ばれた異端児”LIL PEEP”を辿る】

ヒップホップのサウンドにおいてサンプリング(元ネタ)は欠かせない。

有名な所でいえばカニエ・ウエストの楽曲『Stronger』の元ネタにはダフト・パンクの「Harder,Better,Faster,Stronger」が用いられている。

このように違うジャンルのサウンドをサンプリングに使われることはしばしばある。ロックのサンプリングが多ければロックミュージックから、テクノならクラブミュージックという風にアーティストが影響を受けた感触をそこから感じ取れるので少し調べてみるだけで実に面白い発見がある。

中でも昨年に急逝したラッパー”LIL PEEP”(リル・ピープ)はとりわけバラエティーに富んだサンプリングを用いている。

元々、ロックやパンクを聴いて育った彼はニルヴァーナやレッド・ホット・チリ・ペッパーズにオアシスから、ブリンク182、グッド・シャーロット、サム41、フォール・アウト・ボーイ、マイ・ケミカル・ロマンスなど、オルタナ/ミクスチャー/ブリットポップ/メロコア/エモといったアーティストに影響を受け、それらのテイストを取り込んでいる。

そのような幅を持ち合わせていたことから、彼は他ジャンルのファンからも一目置かれる存在として人気が出たことは一理あるのではないかと思う。

そこでその中から具体的にいくつか楽曲を紹介。

『FLANNEL』(2015) Sampled “The Drowning Man”by The Cure
物哀しげな幽玄的雰囲気を醸し出すトラックのこの楽曲にはゴシックなニュー・ウェイヴとして最も有名なイギリスのバンド「THE CURE」が用いられている。

『FIVE DEGREES』(2015) Sampled “R-Evolve” by 30 Seconds to Mars
感情に訴えかけるダイレクトなエモーショナルサウンドが特徴的なこの楽曲にはアメリカのロックバンド「30 SECONDS TO MARS」の曲を抜擢。

『We Think Too Much』(2016) Sampled “Lichen” by Aphex Twin
澄んだ空気の中に浸っているかの様な心地よいビートトラックのこの楽曲には、電子音楽を操る最高峰アーティスト「APHEX TWIN」のアンビエントな一曲をチョイス。

『Hellboy』(2016) Sampled “Too Bright To See, Too Loud To Hear” by Underoath
彼の代表曲の一つとして人気の高いこの楽曲にはアメリカのポスト・ハードコアバンド「UNDEROATH」のサウンドを使用。これによりハードコアシーンからも人気急上昇となった。

『Yesterday』(2016) Sampled “Wonderwall” by Oasis
この楽曲はサンプリングというか、もはやカヴァーソング。
誰しもが一度は耳にしたことのあるキャッチーなメロディーはイギリスのポップアイコン「OASIS」の名曲。これによりまたしても本国アメリカのみならず全世界から注目の的に。

このように様々なジャンルから影響を受けているのがサンプリングを通して垣間見れる。他にも沢山色々なジャンルの楽曲をサンプリングしているのでぜひ調べていただきたい。

 

また彼は音だけではなく、ファッションに関しても多方面からの影響を落とし込んでいる。特にパンクやグランジからのテイストは色濃く反映されていると思う。

いかにもオーソドックスなスタイルにこだわるのではなく、自分を貫き、誰も真似の出来ないアイコニックなイメージ像でLIL PEEPという人物をセルフブランディングさせたのは、やはり彼の幅広い感性が呼び起こしたことだろう。全身に入ったタトゥーに関しても自身をイメージ付けるために入れたことも公言している。

彼亡きいま、新たにまたLIL PEEPに影響を受けた次世代が続々と誕生している。
彼の登場によりシーンは活発の一途を辿っている。グランジを築いたNIRVANA、ラップメタルを押し上げたKORN、エモ/スクリーモの衝撃となったTHE USED、それらと同様の勢いを感じさせる”EMO RAP”シーン。

LIL PEEPが残した布石はこれからも時代の扉をこじ開けて行くことだろう… 。

前回記事:HISTORY OF LIL PEEP Vol.1


 

[オンラインストア]

LIL PEEP × SUS BOY / LIMITED EDITION DADDY TEE


 

[オンラインストア]

LIL PEEP × SUS BOY / LIMITED EDITION LONGSLEEVE


 

[オンラインストア]

LIL PEEP OFFICIAL BEANIE


 

[オンラインストア]

LIL PEEP OFFICIAL COME OVER TEE


 

[オンラインストア]

LIL PEEP OFFICIAL COME OVER HOODIE


トップ画像 出典:Lil peep/Come Over When You’re Sober, Pt. 1

[関連記事]

LIL PEEP × SUS BOY LIMITED CAPSULE COLLECTION / LIL PEEP – Official Item

商品に関するお問い合わせは店舗にて。

FRAGILE (フラジャイル)
〒550-0015 大阪府大阪市西区南堀江2-13-24
TEL:06-6567-9570

FRAGILE公式SNSページ

 

[facebook]

[instagram]

[fashion snap]

[twitter]

関連記事

  1. HOLY FUCK – JAPAN TOUR 2016

    2016.07.27

    HOLY FUCK – JAPAN TOUR 2016

    【HOLY FUCK(ホーリー・ファック) 9月来日決定!】着々と知名度をあ…

    HOLY FUCK – JAPAN TOUR 2016
  2. アフリカ・バンバータが築いたヒップホップの平和的解決

    2016.12.20

    アフリカ・バンバータが築いたヒップホップの平和的解決

    【ヒップホップのオリジネイターの一人”アフリカ・バンバータ”を特集 Vol.1】出典:Afr…

    アフリカ・バンバータが築いたヒップホップの平和的解決
  3. Bliss Signal+VMO JAPAN TOUR 2019 が5月13日より東名阪にてキックオフ

    2019.05.6

    Bliss Signal+VMO JAPAN TOUR 2019 が5…

    話題のインダストリアル・ブラックメタル・プロジェクトによる初来日ツアー昨年デビューアルバムをリリ…

    Bliss Signal+VMO JAPAN TOUR 2019 が5月13日より東名阪にてキックオフ
  4. Dickies のUSモデル デニムコート がコスパ最強でなおかつお洒落

    2018.12.18

    Dickies のUSモデル デニムコート がコスパ最強でなおかつお洒…

    人気再熱のワークウェア”Dickies”のデッドストックアイテムはリバイバルファッションにもってこい…

    Dickies のUSモデル デニムコート がコスパ最強でなおかつお洒落
  5. シドニーのインディペンデントレーベル BURNING ROSE RECORDS にフォーカス

    2019.03.17

    シドニーのインディペンデントレーベル BURNING ROSE REC…

    若手を中心とした新鋭が発信する次世代のポスト・レーベル出典:https://modern…

    シドニーのインディペンデントレーベル BURNING ROSE RECORDS にフォーカス
  6. X-エックス A24史上最も危険な映画がついに日本上陸

    2022.06.23

    X-エックス A24史上最も危険な映画がついに日本上陸

    殺人マシーン化した老夫婦3部作シリーズのスタイリッシュ・ホラー1979…

    X-エックス A24史上最も危険な映画がついに日本上陸
  7. CARSTEN NICOLAI – bausatz noto

    2015.12.5

    CARSTEN NICOLAI – bausatz not…

    “ドイツが生んだ科学の申し子"先日、来日したOneohtrix Point Neverの東京公演…

    CARSTEN NICOLAI – bausatz noto
  8. ED TEMPLETON(エド・テンプルトン)30年間のドローイングアーティストとしての集大成

    2022.04.12

    ED TEMPLETON(エド・テンプルトン)30年間のドローイングア…

    MARK GONZALES(マーク・ゴンザレス)に影響を受けたエド・テンプルトンのスケートとアート…

    ED TEMPLETON(エド・テンプルトン)30年間のドローイングアーティストとしての集大成
  9. 1月7日より”池田亮司”を特集するポップアップを開催!

    2017.01.4

    1月7日より”池田亮司”を特集するポップアップを開催!

    【世界で活躍する現代アーティスト”池田亮司”とは?】池田亮司 (いけだ りょうじ 1966年-)…

    1月7日より”池田亮司”を特集するポップアップを開催!

NEW POST

PAGE TOP