【受け継がれたカウンター・カルチャー】

イタリア人デザイナーFederico Capalboが手掛けるロンドンベースのブランド「KOMAKINO」(コマキノ)

毎シーズン、デザイナー自身が影響を受けたカルチャーをテーマにコレクションを発表している。流行にとらわれることなくエッジの効いたデザインで新たなファッションを創造し続ける現代ファッションを支えるブランドである。

 

 

 

 

今季AW16では、イタリアのアナーキストをテーマにクラシカルなディテールのアイテムと掛け合わせ、カルチャー×クラシカルの表現を見事落とし込んでいる。ルックブックでは若かりし頃に自身が着用していたパンクバンドのパッチワークを施したコートをイメージに使うなど、パンクとアナーキストの重要な結びつきをあらわした。

彼なりのカウンター・カルチャー(サブカルチャー)がそこに徹底して備わっている。

60年代のアメリカが発端に誕生したカウンター・カルチャーは、高級志向の文化(ハイ・カルチャー)に対抗する文化として若者達が中心となって巻き起こった。その布石となったのがビートニク達である。社会に反抗して自由を求め、自分達だけで新しい世界を築く自我解放は大きなムーブメントを呼び起こした。学生達によるベトナム反戦運動は社会現象を生み、政治を動かした。さらにヒッピー文化へと派生し、伝説の野外イベント”ウッドストック・フェスティバル”が開催されるなどカウンター・カルチャーの広がりはロックやジャズ、フォークを中心とした”音楽”への関心を高めた。

そのイデオロギーはその後も鎮火することなく、70年代に入り”パンク・ロック”といったさらに過激さを増したジャンルが形成された。より社会に対する攻撃的な姿勢は既成概念を打ち崩し、音楽面だけではなくファッションスタイルも築き上げた。そうしてパンクはファッションと深く関わりを持ち、いまでも多くのデザイナー達に影響を与えている。

ヴィヴィアン・ウエストウッド、ジャン=ポール・ゴルチエ、アレキサンダー・マックイーンを代表するメゾンブランドはそういったスピリットを根底においた。

さらにそこから深く影響を受けたのがマルタン・マルジェラ、ラフ・シモンズ、サン・ローラン(エディ・スリマン)、アンダーカバーといったオルタナティブ/ポストパンク的なジャンルの第二世代を生み出した。

しかし、現在ではどうだろか?そのマインドを受け継ぐブランドが圧倒的に少ないのが現状である。若者のサブカルチャーに対する意識の低下が顕著に現れているのだろう。SNSが発展した現代において分かりやすさが求められている現在ではデザイナーのマインドは二の次でデザイン(見た目)だけが重視されている。

その結果、デザインだけで売れるブランドがあまりにも溢れかえり、同じ物ばかりが売られる始末である。カウンター・カルチャーどころかノー・カルチャーである。

だからこそKOMAKINOはそれに対抗するマインドでカウンター・カルチャーを仕掛けているのだろう。サブカルチャーの力強いメッセージは若き者達の眠れる意欲を掻き立てる。

KOMAKINOが伝える真のメッセージはファッションを通じ、サブカルチャーに興味を与えることである。デザインが意味するものを考えさせ、そして何を着るかを問う。現代のファッションに鋭くメスを入れ対抗する。

現在、AW16は絶賛販売中となっているので、ぜひ彼のカウンター・カルチャーを体感して下さい。

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