【地下で世界を繋ぐ孤高のインテリノイズ Vol.1】
ノイズミュージック。それは一般的に知られることなく全世界でアンダーグランドなネットワークを張るジャンルであります。
その音楽性はノイズサウンドをメロディーに置き換え、その時にしか出せない即興演奏を主体とした演出で、いわゆるインスタレーション方式の芸術的空間を与えます。
そして、ノイズミュージックはここ日本においても、とても重要なポジションとなります。
80年代、芸術性の高いものが一般的に受け入れられていた時代に前衛音楽/現代音楽としてノイズミュージックは幅広く認知されました。
メルツバウ、灰野敬二、非常階段、ハナタラシ、マゾンナ、NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の有名な音楽を担当した大友良英など、ごく一部ですが彼らは日本のノイズシーンを築いた人物達であり、世界から大きな賞賛を得ているのであります。
90年代に入り、J-POPが一般的に普及するようになり芸術的な部分の音楽ジャンルが削ぎ落とされ、徐々にノイズミュージックは影に潜めるかたちとなりました。
しかし、現代でもノイズミュージックはアンダーグランドにて徐々に勢力を増す一方で、コンテンポラリーなアーティストを次々と生み出しています。
それを代表するアーティストの一人「JOHN WIESE」(ジョン・ウィーゼ)は、現代ノイズ・シーンにおいて重要人物となります。
[ノイズの帝王と称される若き鬼才]
アメリカで活動するノイズ・ミュージシャンのジョン・ウィーゼ。
アートスクールでグラフィック・デザインを学び、ノイズ・ミュージックに影響を受け、ミュージシャンとして活動を始めました。
カリフォルニアの知る人ぞ知るハードコアバンドBASTARD NOISEのメンバーとしても活躍するなどバンドにも精通した働きをみせ、現在はソロプロジェクトと並行してSISSY SPACEK(シシー・スペイセク)というノイズ/グラインドコアバンドでも活動しています。
ジョン・ウィーゼはSUN O)))やメルツバウ、Evan Parker、No Age、Wolf Eyesなどドローン、ノイズ、ジャズ、アート・ロック、インダストリアルなど、様々なアーティストとの親交も深く、持続してそういったアーティスト達とコラボレーションを実現しています。SISSY SPACEKではYOUTH CODEのSarahをヴォーカルに迎えたアルバム『LEAD THEIR EXIT』をリリースするなど積極的にハードコアシーンを賑わせています。
彼の名はそうして広く深く知れ渡りました。しかし、彼が評価される真の理由は楽曲制作、ライブパフォーマンスだけではなく、クリエイティブな活動にありました。
【まとめ】
次回、そこの側面に焦点を当て、さらにジョン・ウィーゼという人物に迫りたいと思います。