【映画音楽から観る”GHOST IN THE SHELL”】

昨年に公開され話題となった映画『GHOST IN THE SHELL』(ゴースト・イン・ザ・シェル)。士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」を原作としたハリウッド実写化の作品となりクオリティーの高い演出で全世界に衝撃を与えた。

その作品においてサウンド面を手掛けたのが”クリント・マンセル”という人物。日本ではあまり知られていない人物だが、世界では知る人ぞ知る名の通った人物である。彼は元々、イギリスのロックバンド「Pop Will Eat Itself」(ポップ・ウィル・イット・イットセルフ)の元ボーカルとして活動した経歴をもつ。バンドは1986年にイギリス・バーミンガムで結成され、その当時ではあまり類を見ないデジタルとロックを掛け合わせたブレイクビーツ・ロック(ダンス・ロック)やいまでは形容されなくなったデジタル・ロック(デジロック)といったカテゴリーの先駆けとして人気を博した。バンドは人気絶頂期においてNINE INCH NAILS(NIN)のトレント・レズナーが取り仕切っていたレコードレーベル”ナッシング・レコード”からアルバムをリリースしている。その際にクリス・マンセルはトレント・レズナーと親しくなり、その後、NINのアルバム「The Fragile」(99)ではバックアップ・ボーカルとして参加するなど交流を深めた。クリスはバンドから離脱するとソロで音楽活動を始め、積極的に映画音楽を手掛けることとなった。

ミッキー・ロック主演の『レスラー』やナタリー・ポートマン主演の『ブラック・スワン』等で知られる映画監督ダーレン・アロノフスキーにはとても気に入られ、上記二作品他、デビュー作『π』や『レクイエム・フォー・ドリーム』、様々な賞を受賞した作品『ファウンテン 永遠につづく愛』など全ての長編作品の音楽を担当した。

GHOST IN THE SHELLではもう一人のサウンドパートナーである映画音楽界のスティーブン・スピルバークといっても過言ではない巨匠ハンス・ジマーとも幾度となく仕事をこなしたローン・バルフェと共に作品の世界観を巧みに表現させた。改めてこの作品を紐解いていくとサウンド面にまで至る緻密さが伺え知れる。こういった角度から作品を観てみるのも新たな発見に繋がるのかもしれない。

GHOST IN THE SHELL

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