A24制作の美しいスタイリッシュなムービー
スケートやパンクカルチャーに影響を受けアートやグラフィックデザインといった幅広い分野で活躍しているマイク・ミルズによる映画「カモン カモン」
ホアキン・フェニックス演じる主人公ジョニーのファッションスタイルはマイク・ミルズの私服を借りて撮影された。衣装のインスピレーションとなったのはポストパンク・バンドJOY DIVISIONのイアン・カーティスやTHE FALLのマーク・E・スミス、映画監督のスタンリー・キューブリックなどをあげている。またホアキン・フェニックス自身がヴィーガンで動物性の素材を身につけないのでコンバースなどを着用するなど映像への細部までこだわりが詰まっている。
INTRODUCTION
A24とマイク・ミルズの待望のコラボ第2弾
『ムーンライト』、『レディ・バード』、『ミッドサマー』――創立からたった 10 年で映画史に残るアート系映画を 次々と世に送り出している映画会社 A24 と気鋭の映画作家マイク・ミルズ。アカデミー賞脚本賞にノミネー トされた『20 センチュリー・ウーマン』に続く待望のコラボ第2弾『カモン カモン』がついに完成した。
自身の子育て体験から生まれた、マイク・ミルズ史上最も親密な最高傑作
NY を拠点にアメリカを飛び回るラジオジャーナリストのジョニーは、LA に住む妹が家を留守にする数日間、 9 歳の甥・ジェシーの面倒を見ることに。それは彼にとって子育ての厳しさを味わうと同時に驚きに満ち 溢れたかけがえのない体験となる。 ひとりの男がひとりの子供と人と人として向かい合ったときに生まれた奇跡のような瞬間を描いた本作の 出発点は、映画作家でアーティストであるミランダ・ジュライとの間に生まれた子供ホッパーを「お風呂に入 れているとき」だったいう。『人生はビギナーズ』では、ミルズ自身の父親との関係『20 センチュリー・ウーマ ン』では母親との関係が物語のベースになっていることはよく知られているが、本作は父親になったミルズの子育て中に経験した、数々の“想定外”の出来事にインスパイアされたストーリーである。見たもの、感じたもの、観察したものを詰め込んだ控えめでありながらエモーショナルな物語は、まさにマイク・ミルズ史上 最も親密な最高傑作と呼ぶにふさわしい。
ホアキン・フェニックスが『ジョーカー』の次に選んだのは、狂気のイメージを覆す心温まる感動作
ミルズを反映させたジョニーを演じるのは、唯一無二の存在感で出演作ごとに映画ファンを熱狂させている ホアキン・フェニックス。アメコミ史上最強のヴィランの誕生秘話を描いた『ジョーカー』で4度目のノミネート にしてアカデミー賞主演男優賞を受賞し、名実ともにハリウッドの頂点に立った彼が次の出演作として選んだのが『ジョーカー』の狂気のイメージを 180 度覆すこんなにも優しい物語だった。「共感できる瞬間や感 情がたくさん描かれている」脚本に惚れ込んで本作への出演を決めたというホアキンだが、そんな名優に引けを取らない天才ぶりを見せているのがジェシーを演じたウディ・ノーマンである。イギリス人でありな がら完璧なアメリカ英語でオーディションに望んだ彼がアドリブで演じたシーンは、ジェシーというキャラクターの知性を見事表現しており、ミルズもホアキンも衝撃を受け即座に出演が決まったという。撮影中は役を完全に理解しているウディの演技を受けて反応するだけでよかったというホアキン。“親密さ”がカギと なるこの物語でふたりの天才が見せるケミストリーは、本作の最大の見どころである。
美しいモノクロ映像で綴られる、4都市をめぐる現代の“寓話”
物語の舞台はデトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオリンズ。ニュージャーマンシネマの騎手ヴィム・ヴェンダースの初期のロードムービー『都会のアリス』にインスパイアされたミルズは、歴史も風景もまったく異なるアメリカの4都市をめぐるジョニーの旅を“ドキュメンタリー性を盛り込んだ寓話”として表現す るという意図からモノクロにこだわった。撮影監督に抜擢されたのは、ヨルゴス・ランティモス監督の『女王 陛下のお気に入り』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされたロビー・ライアン。生き生きとした軽やかなモノクロの映像美は、現実世界と寓話を見事に調和させている。また、サウンドトラックには、ミルズ監督が短編 映画を手掛けたこともある人気ロックバンド、ザ・ナショナルのアーロン・デスナーとブライス・デスナーが参加している。
子供たちの目に映る風景と子供たちが語る未来
本作にはラジオジャーナリストのジョニーによるインタビューというドキュメンタリータッチのシーンを通じて、実際に取材した9〜14 歳の子供たちの生の“声”が挿入されている。自分たちが住んでいる街について、 現在の生活について、世界について、そして未来について率直に語る彼らの言葉は、「今、現実社会で起こっ ていること」を生々しくもパワフルに伝える。このインタビューシーンは、ジョニーとジェシーの親密さについての物語と呼応して「すべての大人は子供と彼らの未来に責任がある」という強いメッセージを発している。
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STORY
デトロイト
アメリカ中を回って子供たちにインタビューしているラジオジャーナリストのジョニーは、滞在先のホテルからロサンゼルスに住む妹のヴィヴに電話をかける。認知症を患っていた母が1年前に逝って以来疎遠になっていたふたりだが、ヴィヴはトラブルを抱えた別居中の夫ポールの手助けをするためオークランドに行く予定で、ジョニーはその間9歳になる甥のジェシーの面倒を見ることになる。
ロサンゼルス
ヴィヴの家を訪れたジョニーは、ユニークな性格のジェシーに戸惑いながらも次第に打ち解け合っていく。 ポールの状態がよくないためヴィヴはオークランド滞在を延ばすことになり、仕事のスケジュールが入って いるジョニーはニューヨークのアパートにジェシーを連れて戻ることを決める。
ニューヨーク
ジョニーは仕事仲間にジェシーを紹介し、ジェシーに音響機器の使い方を教えたり子供たちへのインタビ ューに同行させたりする。ジェシーは自分のことをあまり語りたがらないジョニーの私生活やヴィヴとの関係について質問を投げかける。ジェシーはホームシックにかかりいらだちをブチまけふたりの間はギクシ ャクする。途方に暮れたジョニーはロサンゼルス行きの航空チケットを購入するが、ジェシーはトイレに立て 籠ってしまう。
ニューオリンズ
ジェシーとスタッフとともに子供たちへのインタビューをするためにニューオリンズにやってきたジョニー。 一方、ジェシーは自分も父親のようになってしまうのではないかという不安を打ち明けるー
『カモン カモン』
監督・脚本:マイク・ミルズ『人生はビギナーズ』『20 センチュリー・ウーマン』
出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト 音楽:アーロン・デスナー、ブライス・デスナー(ザ・ナショナル)
4月22日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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