SONIC YOUTHの中心メンバーとしてグランジ/オルタナティブ・ロックシーンを牽引したキム・ゴードンの軌跡
出典:wikipedia/Anders Jensen-Urstad
80年代前半ニューヨークにて実験的なスタイルで頭角を現し、瞬く間に全世界が注目するロックバンドにまで登り詰めたグランジ/オルタナティブ・ロックムーブメントの立役者的バンド「SONIC YOUTH」(ソニック・ユース)
出典:http://www.sonicyouth.com
そのバンドにて紅一点の花形を務めたのがキム・ゴードン(ベース、ギター、ボーカル)という人物である。キム・ゴードン(以下、キム)は当時、バンドの前身となる70年代後半にて以前より交際していた後のバンドメンバーで夫ともなったサーストン・ムーア(ギター、ボーカル)に誘われ、ソニック・ユースの原形となるバンドに加入した。以後は相当な経歴を積み重ね”グランジのゴッドマザー”と称されるまでとなった。
1984年には交際していたサーストンと籍を入れるも2011年に別居。翌々年の2013年に離婚に至った。27年の長い結婚生活にピリオドを打ち、それを機にバンドは事実上の解散を果たした。バンド解散後キムは間髪入れずにノイズ・アートユニット「Body/Head」を結成し、EP、ライブアルバムを含む通算5作品をこれまでに発表している。その他に2015年にはRVCAがサポートするプロサーファー兼アーティスト兼ギタリストのAlex Knostと共にギターデュオ「Glitterbust」を結成するなど勢力的に活動している。90年代には元プッシー・ガロアのジュリィ・カフリッツ、ボアダムス/ooioo/SaicobabのYoshimio、ペイヴメントのマーク・イボルトらと共にコラボレーションバンド「Free Kitten」を立ち上げ不定期ながらも活動を続けている。
また、キムはミュージシャンとしてだけでなく、90年代前半には「X-Girl」立ち上げ時のデザイナーとして抜擢されファッション業界にもその名を轟かせた。バンド加入以前には芸術関連のライターや展示会のキューレーションなどアート関係の仕事にも従事した。そういった経緯からアーティストとの接点を持ち続け、ギャラリーや美術館などへの出演や展示、そして、マイク・ケリーやマイク・ミルズを始め、リチャード・プリンスに、バンドのキャリア史上最も代表されるアルバム作品となった『Goo』のアートワークを手掛けたレイモンド・ペティボーンに至るまで錚々たる芸術家とコラボレーションを実現して来た。そういった側面からアートシーンにおいてもソニック・ユースは広く支持され、音楽を通じ、総合的な芸術を表現するバンドとして別格なキャリアを誇った。とりわけキムが残した貢献の偉大さは言うまでもない。
出典:X-girl Instagram
その他、映画やドラマなどのサウンドトラックの提供、はたまた演技を学び、それらに出演するなどマルチすぎる活躍は多くの人々へ影響を与えた。現在、彼女は地元のロサンゼルスへと戻り、数年前に発症した乳がんを乗り越え、一人娘のココ・ゴードン・ムーアと生活を共にしている。尚、ココは現在モデルとして活躍しており、2016年にX-Girlにてデビューを果たした。
Kim Gordon / No Home Record
これまで38年にもわたる音楽家としてのキャリアを重ね、常に第一線で活躍し続けて来たキム・ゴードン。その彼女が集大成とも言えるソロとして初となるデビューアルバム『No Home Record』を今年の10月にリリースした。その作品にはソニック・ユース譲りの実験的なアプローチも含まれ、バンドのファンにとっても納得の作品となっている。ただそれだけには飽き足らず潮流となっているトラップ・ミュージックの要素も取り込んでいるのには脱帽である。常に進化を求め、輝きを放ち続ける彼女はまさにゴッドマザーである。ソロとしてのキャリアをスタートさせた彼女はまだまだこれからの時代に切り込み先駆けていくことだろう。
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