イギリス人アーティスト、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)の作品集。
「〈桜〉のシリーズは、美と生と死についての作品なんだ。それらは極端で、どこか野暮ったい。愛で歪められたジャクソン・ポロックみたいにね。〈桜〉は装飾的だが、自然からアイデアを得ている。欲望、周囲の事柄をどのように扱い、何に変化させるのかについて、さらに狂気的で視覚的な美の儚さについても表現している。〈桜〉は快晴の空を背にして満開に咲き誇る一本の木だ。スタジオの中で色彩と絵具に没頭するのはとても気分がいい。〈桜〉はけばけばしく、とっ散らかっていて、儚い。そして、私がミニマリズムや想像上の機械仕掛けの画家であるというイメージから離れたことを示していて、とてもわくわくするものなんだ。」- ダミアン・ハースト(国立新美術館『桜』ウェブサイトより転載)
作者は、2018年から2019年までの二年間を『桜』シリーズの制作に費やし、107点のペインティング作品を描き上げた。ロンドンにある自身のスタジオで、ポスト印象派、点描画、アクション・ペインティングを文脈として再解釈し、太い筆致とジェスチュラル・ペインティングの抽象性の要素を組み合わせて制作。本書は、2021年6月から2022年1月までパリの「カルティエ現代美術財団(Fondation Cartier pour l’art contemporain)」で開催された展覧会に伴い刊行された一冊。作品全体とディテールを記録したイメージは250点にも及び、18点は折り込み仕様で収録されている。哲学者のエマヌエーレ・コッチャ(Emanuele Coccia)、16世紀のイタリア絵画を専門とするフェッシュ美術館(Fesch Museum)館長のフィリップ・コスタマーニャ(Philippe Costamagna)、美術史家であり美術批評家の林道郎、アーティストのギルダ・ウイリアムズ(Gilda Williams)による寄稿文で作品を考察し、作家であり編集者、翻訳家のアルベルト・マングェル(Alberto Manguel)による選集で、チェリーと桜をテーマとして本作を文学的に探っている。
グラフィックデザイナーのソニア・ダヤコヴァ(Sonya Dyakova)が主宰する「アトリエ・ダヤコヴァ(Atelier Dyakova)」が装丁を手がける。
ハードカバー
414ページ
260×365 mm
カラーページ
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