RAF SIMONS × ROBERT MAPPLETHORPE

Raf Simons Robert Mapplethorpe

【ラフ・シモンズが17年春夏で魅せたロバート・メイプルソープへの敬意】

イタリア・フィレンツェで毎年、1月と6月の年2回開催される世界最大級のメンズコレクションにて、昨年の秋にDior(ディオール)のクリエイティブディレクターを退任し去就が注目されていたデザイナーRAF SIMONS(ラフ・シモンズ)が自身のブランド『RAF SIMONS』で最新の17SSメンズコレクションを発表しました。

 

 

 

 

 

 

話題となったコレクションでは、写真家の故ロバート・メイプルソープの作品をシャツなどの生地にプリントした、大胆ながらもモダンでミニマルに仕上げたラフ・シモンズらしさが落とし込まれたコレクションとなりました。

今回のテーマである”PRIDE IN INDIVIDUALITY”(個性こそ誇り)では、大量消費のブランドが多様する中で原点を見つめ直すべき、自身の20年にわたるキャリアを統括する集大成としてアーカイブを用い、メッセージを届けました。

これまで”ユースカルチャー”を背景にコレクションを展開してきたラフ・シモンズは、自身が影響を受けたカルチャーを服を通じ伝えてきました。

彼が若き頃、ロバート・メイプルソープの作品に感銘を受け、長きに渡り尊敬の眼差しを送っていました。そして、新作のコレクションに着手し始めたある日、メイプルソープ財団から彼にコラボレーションの話が舞い込み、オファーを受ける形となりました。

そのロバート・メイプルソープは世界的に偉大な写真家として知られています。有名な話では、以前にも記事で書きましたが学生時代「パンクの女王」ことパティ・スミスと暮らしていました。旧知の仲であることからパティ・スミスのジャケットアルバムの写真も数枚手掛けています。

 

 

 

 

 

 

彼は1986年にエイズで42歳という若さでこの世を去りました。生前にバイセクシャルを公言していた彼はその想いを作品に託しました。彼の作品の多くには花やヌード、セルフポートレートをモノクロ写真で収めた世界観で表現されています。黒人モデルを西洋の彫刻に見立てたヌード集「THE BLACK BOOK」では賛否両論を巻き起こし一躍その名を轟かせました。

他にもTELEVISIONSのアルバム”Marquee Moon”のカヴァーを手掛け、SCISSOR SISTERSのアルバム”Night Work”、””Any Which Way”でも彼の写真が起用されています。

そうして自身が感じるものを作品として発表してきたローバート・メイプルソープはいつしか多くの人に影響を与えました。その内の一人であるラフ・シモンズは彼の作品に全て目を通し、今回のコレクションを制作するに至りました。そこにはジャンルを超えた、しかしアートで紡がれた特別なものが出来上がりました。

ラフ・シモンズは語る。

「いくつかの都市を旅し、数多くある作品群すべてに目を通しました。アーカイブを見るのはとても面白くエモーショナルな衝撃を受け、私が尊敬しているアーティストも数多く撮影されていたことがわかりました。例えば、素晴らしい画家のアリス・ニールや、ウィリアム・デ・クーニンのポートレートなど。この多くの作品をどう表現しようかと考えた時、誰もが知っている有名で繊細な作品と、多くの人に批判される作品(男性器などのセックスシンボル)を並列にすることがとても重要だと思ったのです。」

さらにショーについて。

「まず今回は、”ギャラリーショー”といったものを想定していました。メイプルソープの作品を発表することは、過去にアート系(シックス・ジャーマンやトーキンなど)の人たちがやってきました。でもそれらはいつもギャラリーで発表されていて、同じようなテキストやフォーマットだったのです。私はファッションデザイナーですし、ギャラリーで見せる方法ではないので、そこに注力することは大きなチャレンジでしたが、とても興味深いことでもありました。」

(Fashionsnap.comより一部引用。)

これだけの想いが込められて完成した今回のコレクション。
ロバート・メイプルソープの伝記映画も公開を予定されており今後も何かと話題となることでしょう。またカルバン・クラインの新クリエイティブディレクターにも就任を果たしたラフ・シモンズはこちらにも期待が高まっています。ファッション業界の再建の一端を担うのか、今後の動向が非常に気になる所です。